絵画作家 上原一馬 ウェブサイト

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updated 2019-02-16


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上原一馬 2019年のブログ
UEHARA Kazuma's Blog


 

2019.01.26

村上早 生(せい)とは何か

村上早

 
サントミューゼ 上田市立美術館の『村上早展-gone girl-』へ。
 
この美術館主催の山本鼎版画大賞展の大賞を獲った時から気になっていた。
ボロボロの作品を出品してきた彼女は、美術館からの問い合わせに、
蚊の鳴くような声で申し訳なさそうに何度も謝っていたという。
 
作品はシンプル。
余計な要素は何もない。
ただ直感的な線が彫り込まれているのみだ。
 
しかし、その鮮烈な印象。
 
柔らかいフォルムとは裏腹に、
心の深い深いところに突き刺さってくる。
 
作品に隠されたテーマ性が、この心に響く要素になっているように思えた。
 
どんな人物なのだろうと、美術館で映像を見ていて分かったこと。
 
彼女は幼少期に心臓の手術を受け、普通の子ができることを制限された中で生きてきたこと。
その偏見の苦しみとともに生きてきたのだろう。
 
実家は獣医で、いつも死と隣り合わせの中で、生活してきたこと。
「死」が日常にあるということが、彼女の「生」の意識に影響を与えたのだろう。
 
彼女の日常の感情が作品の中に現れる。
どんな悲しい過去も、日常の鬱積も、作品に昇華される。
 
制作なしでは生きられない本物の「作家」とは、こういう人物のことを言うのだろう。
 
こんなに単純なのに、こんなにも新しい。
大賞受賞も、うなずける。

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